Volvo Construction Equipment社が新たなテストプロジェクトでスマート製造に投資
近年、スウェーデンの産業界にはスマート製造とロボット化の波が押し寄せています。その最前線に立つVolvo Construction Equipment社は現在、少量生産品の製造効率化と生産コスト削減を目的とした実証プロジェクトへの投資を進めています。

自動車業界や製造業では、同一製品を多品目小ロットで生産しなければならないケースが多く存在します。こうした生産形態では、稼働頻度の低いカスタムマシンや段取り替えに手間のかかる治具が必要となることが多く、コスト負担の増大につながります。Volvo Construction Equipment社は、最新のロボット化技術を導入することで、こうした課題の解決を目指しています。
当社は、同一の設備で多様な製品に対応できるソリューションを開発しており、今秋にはテストプロジェクトとして生産を開始する予定です。ロボットセルを用い、Delfoi Robotics(現Visual Components Robotics OLP)のオフラインティーチングシステムを活用します。
Volvo CE社、Specialist in Welding Optimization、Erik Åstrand氏
治具レス溶接
このテストプロジェクトは、Volvo社のブラース工場におけるダンプトラック用コンポーネントの製造に焦点を当てています。専用の治具の代わりに柔軟性の高いロボットを用いて溶接を行うことで、生産工程に治具レス溶接を導入するという試みです。Erik氏は次のように述べています。
ロボットセルにはハンドリングロボットと溶接ロボットがあり、これらが連携して製品を組み立てます。ハンドリングロボットが各部品を取得・配置し、溶接ロボットがそれらの溶接を行います。その工程を繰り返すことで、製品が完成します。
対象とするのは主に約60kgまでの製品ですが、将来的には車両フレームのような大型のコンポーネントの生産にも対応させることが可能です。製造において最大限の柔軟性を実現するには、新製品の溶接時に利用するプログラムを迅速に作成する必要もあります。Delfoi Roboticsのオフラインティーチングシステムは、その点で重要な役割を果たします。

オフラインティーチング
オフラインティーチングでは、生産プロセスに影響することなく、コンピューター上でロボットのティーチングが行えます。生産を止める回数を抑えることができ、コストの削減につながります。Delfoi Roboticsは溶接分野における世界的リーダーであり、それが同社をサプライヤーとして選定する決め手となりました。Erik氏は次のように述べています。
できるだけ多くのロボットブランドに対応できる最適な技術ソリューションとソフトウェアを求めていました。Delfoi Roboticsのシステムは視覚的でわかりやすく、直感的にティーチングできます。
ブラース工場のロボットセルは、段取り時間を置かずに部品を1個ずつ流す「1個流し」により、30種類の少量生産品に導入される予定です。このテストプロジェクトが成功すれば、同様の製造手法をより多くの製品やVolvo CE社の別工場にも展開していく計画となっています。
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